前回バッテリーの使い方のご注意などについて書きましたが、今回は選定が難しいDC-ACインバーターについて書きます。(以下、インバーターと略します。)
以下の手順で使用するのにふさわしいインバーターを選定します。

1.使用する機器の確認
・まず使用したい電気機器を決めます。照明なのか、ノートPCなのか、TVなのか、あるいはこの複数なのかを決めます。
・次にその機器の消費電力を調べます。大体は機器そのものに書かれていますのでよく探してみて下さい。見つからない場合は、取説の仕様の欄で確認します。
・次にその機器にはACアダプタがついているか調べます。ついていれば「その機器は直流で動いている」と判断できます。
ついていない場合は、その機器にモーターやコンプレッサーなどが装備されている確認します。(この辺は少し専門知識が必要かもしれません。)

2.定格出力電力の決め方
・インバーターは出力できる電力が定格電力として決められています。
必ず (使用する機器の消費電力の合計)<(インバータの定格出力) となるようなインバーターを選んでください。
・インバーターの定格出力が小さすぎる場合は、ヒューズが飛んでインバーターが使えなくなるなります。

3.最大出力電力の決め方
・電気機器は常に同じ電力を消費しているわけではなく、変動しています。
・特にモーターを備えた機器は起動時に定格の5倍から10倍の電力を消費します。
これを踏まえて、最大出力に余裕のあるインバーターを選ぶようにします。

4.正弦波か疑似正弦波か
・電力会社から供給されている交流電力をモニターするときれいな正弦波カーブが見られます。
・DC-ACインバーターの場合、価格の安いものはこの正弦波カーブで供給されておらず、四角い波形(矩形波、疑似正弦波)で供給されています。
・モーターやコンプレッサーを搭載した機器は、正弦波入力を前提に機器が作られているため、疑似正弦波入力では仕様どおりの出力が得られなかったり、振動して異音が発生する場合があります。
・そのほかの機器でもまれに疑似正弦波出力ではうまく動作しなかったり、音がしたりすることがありますので、多用途に使いたい方には正弦波出力タイプをおすすめします。
・ただし同一の定格出力で比較した場合、価格が3倍から4倍以上異なりますのでこの点も含めてご検討ください。
・ACアダプタ―付きの機器の場合は、大抵疑似正弦波タイプでOKです。(一部のノートPCなどで使えない事例もあります。)

5.消費電力について
・インバーターには効率があり、一般的に80%~95%程度です。
・つまり100Wの機器を使うとインバーターの消費電力の合計は110W程度になります。
・インバーターの消費電力とバッテリーの容量、ソーラーパネルの出力のバランスが悪いとなかなか充電されなかったり、蓄電された電力がすぐなくなってしまうということが起こります。
・また機種によっては待機電力が発生する可能性がありますので、使用しないときはバッテリーから外しておくことをおすすめします。

そのほか、DC-ACインバーターについて分からないことがありましたらみよしやまでご相談ください。