「ゆっくり、いそげ」の中で著者の影山さんは『世の「やり取り」の多くが、この「利用し合う関係」で埋められてしまっている』と書いている。
カフェであればお店とお客の関係、会社であれば会社と社員との関係のこと。
お互いがお互いを利用しあおうとする関係・意識が働くというのだ。

(以下引用)
このことは、ぼくらの日々をじわじわ浸食してくる。
例えば大企業で働くAさんにある平日の夜、時間ができたとする-「誰かとごはんを食べに行こう」。
こうしたときパッと思い浮かぶのが、「この人と付き合っておくと、仕事上いいことがありそうな人」だったりすることはないだろうか。
パーティーに参加したとき「誰と名刺交換するか」というケースを想像してもらってもいい。
つまり、ついつい「利用価値」で人間関係を判断してしまうのだ。
(中略)
僕らはその逆をいきたいと思っている。
(引用終わり)

このあと、国立音大の後輩たちの演奏会をクルミドコーヒーで開きたいという長原さんの話や、寺井さんと小谷さんというお二人の出版を支援するクルミド出版の話へと続く。
「いかに相手を利用しようか」という発想と決定的に違い、この話には相手を「支援したい」という思いが詰まっている。

「支援し合う」場がガンプラカフェ&バーで実現できたらどんなに素晴らしいかと私は想像してしまった。
単純な例をガンプラで挙げれば、スゴイモノ・面白いものを見せたい人に、カフェで作品をディスプレーしてもらい、これをお客さんに見てもらうというものが考えられる。
見せたい人、見たい人の双方を支援できる。

影山さんは「支援すること=自分を犠牲にすること、ではない」とも書いている。
(以下引用)
「支援する」姿勢は、相手の「支援する」姿勢も引き出すことで、多くの場合自分自身に返ってくる。昔からの知恵にならって言えば「情けは人のためならず」。
(引用終わり)

ガンプラカフェ&バーをやるなら、きちんと事業として成り立つことが大前提だけれども、この影山さんの言葉やクルミドコーヒーの経験を信じて、支援し合えるお店でありたいと思う。