昨日大相撲名古屋場所が終わりました。
白鵬が全勝優勝。
素晴らしい成績ですが、テレビ実況は辛く
「そこまでして勝ちたいんですかね。」
「優勝してやめるんじゃないの。」
と優勝を称えるどころか、相撲に対して一言言わずにはいられない様子。
今朝のラジオでも「相撲が終わった後、なんともやりきれない気持ちになった」と司会者が言ってました。私も同感でした。

ツイッターにある言葉を借りれば
ビンタ、エルボー、ガッツポーズ、叫び あれは横綱相撲じゃない

前日の正代戦でも土俵ぎりぎりまで下がるなどなんとも残念な横綱の立ち合いでした。

相撲ファンとして一言言わせてもらえば、どちらが勝つかは重要なものの、一番観たいのは「いい相撲」。
真向勝負、力と技のぶつかり合いが観たいのです。
これを支えるは「心(しん)」でしょう。心技体とよく言ったものです。

一方で、膝の手術から復活し優勝をやり遂げた白鵬を称える人も多いことでしょう。
誰もできないことだと思いますし、45回の優勝も本当にすごいと思います。

さて突然ですが、ちょっと見方を変えて「白鵬と友達になりたいか?」を考えてみたいと思います。
私の答えは「NO」。
今場所に限りませんが、白鵬の相撲には所作も含めて好きな部分もあるものの、
・張り差しが多い。
・懸賞を受け取るときにガッツポーズをする。
・勝ち負けの気持ちをすぐ顔に出す(ときにはいいけど・・・)
など、私の描く横綱の像とは異なるところばかり。
つまり相撲に対する価値観が違うのでしょう。

価値観が大きく異なると、なかなかお友達にはなりにくい気がします。

ここで、付け加えたいのは価値観はいろいろあっていい(当然)と思うし、白鵬の相撲の対する価値観にしても本人だけで作ってきたものではなく、周囲の環境も大きく影響していると思いますので、伝統的な相撲の価値観と異なっているとしても白鵬だけを責められる話ではないということです。

そう考えると、どうして昨日のような相撲を取るようになったのか、懸賞をガッツポーズをしながら受け取るようになったのかは、おおいに気になりますし、本人に「どうして?」をぶつけてみたい気がします。

というわけで。
新しく知り合いのなった人は、誤解などがなくお付き合いするために、まずその人の価値観を知ることが重要だと思いました。
価値観と常識は、ついほぼほぼ皆同じだろうろ思ってしまいがちですが、百人百様なのだと最近思い知らされることばかりです。

長くなりましたが、最後に信州木曽出身の御嶽海の相撲について。
8勝7敗と星は伸びませんでしたが、今場所は真向勝負、力いっぱいの相撲で楽しませて頂きました。
千秋楽の一番のみ少し残念な内容でしたが、概ねこの感じで来場所も頑張ってほしいと思いました。